2003年3月30日(日)、かねてから気になっていた大阪湾会議主催のエコクルージングに参加するため、南海本線の湊駅に午前10時前降り立ちました。出島港へ徒歩10分、幸い天候に恵まれ晴天の中集合場所の“とれとれ市”に到着しました。
今日の先生は、“釣りサンデー編集長”で大阪湾会議代表幹事の小西和人さん。キャプテンという愛称で多くの人に慕われている方です。市場の人々は小西さんが声をかけると、まるで村長さんに挨拶するかのように和気あいあいとした表情で応えていました。それはきっと、地元の人々に支えられて続けられている運動、氏の人徳のなせる業かもしれません。
網の上の干しイカの前で、「朝のうちに買うとかへんと、無くなるでー」という呼び声に足を止めていると、「ガシラの美味しそうなの、買うたで」とメンバーのひとりがうれしそうに話しかけてきました。朝の市場はにぎやかで、爽やかな風がこころを和ませてくれます。
今回のクルージングは、耳に心地よくひびく「ウォータフロント開発」を、海側から見るものです。「ウォータフロント開発」の多くは、市民からかけはなれ一般の人びとの目に触れることもありません。代表幹事の小西さんがガイド役となり、いつもは釣り客を運ぶ船長さんが、たった500円で約2時間大阪湾を案内してくれます。春の海は思いのほか寒かったのですが、救命胴衣に袖を通したお陰でなんとかなりました。
大阪湾は、淀川と大和川にはさまれ2本の川が運ぶ土砂の堆積で水深が浅く元来、大型船の接岸には不適とされ、明治7年、大阪と神戸を結ぶ鉄道が開通すると大阪港は衰退し、重要な航路は神戸港が担うことになりました。大阪港の近代化は明治30年から始まりましたが、軟弱な海底地盤が工事を遅らせ大阪市の年間予算の20倍もの工事費を要したそうです。 いくら技術力がアップしても自然の摂理にはかないません。その上、有害物質を含む焼却灰や浚渫土砂などを浅い海に投じる工事です。自然に備わっていた浄化作用も稚魚が憩う産卵の場もあったものではありません。
1988年バブル期に経済成長率を4%と想定して策定した「テクノポート大阪計画」というオバケプランは、1992年に成立した大阪湾ベイエリア法を盾に埋め立てを続け、この不況下の中でも新たに新人工島を埋め立てようとしています。5兆5621億円(市債権発行高)、1世帯あたり489万円もの借金は、オリンピック開催が北京に破れたいまとなっては返済をする起死回生の目玉にもなりません。
海に出て、大阪湾会議・小西和人代表から説明を受けながら、22ヶ所のポイントで営々と増殖する赤字のハイテク副都心建設現場を見学しました。WTC、ATC、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)、無駄使いNO1・夢舞橋、なにわの海の時空間、超大型コンテナーバース、極めつけ北港テクノポート線、負の遺産・新人工島。もう数え上げても読んでもらえそうにないのでこのぐらいにしておきます。
この見学会で、私は水の都・大阪が赤字の第三セクターに“食い物”にされている現状をはじめて実感したしだいです。それにしても、「国際集客都市を目指す」と言って、東京の臨海副都心(448ヘクタール)の2.2倍990ヘクタールもの埋め立てを完工してニーズのない夢を売りつけても耳を傾ける人はいません。ひとりでも多くの大阪市民にこのムダな市政のありのままの姿を知ってもらいたいものです。情報を共有し行動を起こしましょう。
「エコクルージング」を主催している大阪湾会議は、1985年に大阪湾の埋め立て計画である「大阪湾フェニックス計画」・「関西新空港」に反対し、沿岸を市民が利用できることを目的に多くの市民団体が参加して発足しました。大阪湾全体を視野に入れた活動をする団体は他になく、沿岸各地の連絡団体としても重要な役割を果たしています。
▼連絡先/大阪市淀川区西宮原1−5−14週刊釣りサンデー内
TEL 06−6395−8144
船上で説明する、大阪湾会議代表幹事 小西和人氏
大型コンテナーバース
ゴミ処理施設
なにわの海の時空間