環境picoの自然エネルギー勉強会
 『 都会で創ろう! 私たちの発電所。』 -誰でも参加できる、市民共同発電のすすめ-

自然エネルギー、なかでも太陽光発電は身近に実践できる発電として注目されています。しかし、都市部では住宅の多くはマンションなどの集合住宅で、太陽光発電をつけたくてもなかなかつけられません。そのうえ太陽光発電を設置するには費用も高く、身近で発電するのがよいと分かっていても、都市の住民には難しいのが現状です。

そこで、地域の学校や公共施設などの大きな屋根をかり、寄付や出資で太陽光発電を設置する“市民共同発電所”なら、都会の人たちでもエネルギーを地産地消できるのではないかと、大阪市ではじめて市民共同発電所を設置された、ECOまちネットワーク・よどがわの方々にお話しを伺いました。

文: 環境pico 大林

2011年10月22日

場所

大阪環境情報プラザ研修室にて

発表

ECOまちネットワーク・よどがわ
副代表 藤元百代さん, 会計 山本容子さん

お話し

ecoまちネットワーク・よどがわの誕生
タンク大阪市初の太陽光市民共同発電所「ECOまち・さわやか発電所」ができたのは、2009年12月のことです。
2006年、市民生協や保健生協、環境市民団体、商店会の役員、教員などが集い「環境・まちづくり」をテーマに、“ECOまちネットワーク・よどがわ(以下ECOまち)”が産声を上げました。同時に地域の大学=大阪経済大学・地域活性化支援センターとイコールパートナーシップを組むなか、大阪経済大学が文部科学省に申請した、「地域に開かれた体験型、市民共同発電所づくりと・まちづくり産業振興プログラムの創造」が採択され、ECOまちも一緒に取り組むこととなりました。
太陽光パネルの設置場所探し
タンク採択されたプロジェクトに沿って、大学生や教員とともに、学習会や現地見学会、イベント参加、海外研修などを重ね、2007年、大阪経済大学で行われた「全国市民共同発電所フォーラムinおおさか」で、ECOまちも“市民共同発電所を作る!”ことを宣言しました。まず取り組んだのは、設置場所探しです。
最初に候補に上がった、大阪経済大学の駐輪場は大学の許可が下りず、ここは、と思うところを検討するなか、地域の自治会長もつとめるECOまちの会長が理事をしている、介護老人福祉施設「さわやか苑」に協力を求め、場所の提供だけと言うことで、やっと設置場所が決まりました。
設置費用集め
タンク設置する太陽光パネルは80枚、出力約10kW 、年間発電量は1万kWです。市民活動にも理解のある業者へ見積もりを頼むと、設置費用は約850万円でした。NEDOの地域新エネルギー等導入促進事業から400万円、関西グリーン電力基金から59万円、大阪市から100万円の補助金をもらい、残りは出資金として200万円、そのまた残りを一口1000円のカンパで集めることにしました。
大阪市の補助金は、最初は、施設への設置は対象外として断られましたが、粘り強く直談判を繰り返しOKをもらいました。また、出資する人数は20人としました。というのも、さわやか苑のような業者は電気料金が安いのですが、さわやか苑は120~130人と規模が大きく、発電した電気はすべて消費します。したがって、発電した電気料金も安いことになり、出資金を返済するには20年もかかるのです。
補助金特有の問題
タンクもう一つ問題がありました。補助金は、設置後でないと支払われないため、費用を先に用立てなければならないのです。これは、運営委員2名から手が挙がり、立替える事ができました。「ECOまちさわやか発電所」開設から、1年半、発電量は約1万5千kW、電力料金は19万円と、順調です。
地元こそ宝の山
出資返済後には、太陽光発電所はさわやか苑のものになりますが、はじめは消極的だったさわやか苑の方々も発電量の表示などを通して関心を深めているようです。また、ECOまちも大阪経済大学の支援プロジェクトが終わるとともに、会の自立を目指し、総会などの体制の見直しや、会費の徴収、会報の発行をはじめました。さらに、地元や寄付をよせて下さった方々との交流の場として「発電所見学会」や映画「祝の島」の上映など、様々に活動をはじめています。
市民が主体的に関われば地域も変わります。水俣市の吉本哲郎さんの言葉ですが、地元にこそ宝物がいっぱいあります。“環境・まちづくり”は、地元に根付くことこそが大切だと思います。